お忙しい中、見学案内してくださった蔵元の皆様に感謝申し上げます。
宇都宮を北東に進むと、
鬼怒川やさくら市へ繋がる白沢街道が走ります。
水車の回る、白沢宿。
昔はここで、洗濯や芋洗いをしていたとのこと。
「沢・川・水」の付く地名は、水に縁があり、
宇都宮の水も、この白沢から来ているとのお話でした。
上水道について調べてみると、
白沢浄水場は宇都宮市にある3つの浄水場のうちの1つ。
規模が大きく、水源が川でないのが特長です。
10ヶ所の井戸から取水し、
1日6万㎥の水を処理する能力があるようです。
その水を普段飲んでいるのか、宇都宮市内の経路までは分かりません。
日光市瀬川に「水道資料館」があるようです。いつか寄ろう。

井上社長に案内頂き、
製品完成現場から見学スタートです。
商品ラベルを手貼りしています。

斜めに貼るときは体も斜め。

ラベル貼りのツールは、UVカット蛍光灯。
紫外線を防いで、作業者の目の健康と、お酒の品質を守ります。

木箱に蛍光灯をセットして、スイッチON。

全3台。井上社長の自作だそうです。
ゴミが混入していないかチェックも兼ねます。

もとは澤姫の木箱なんですね。

ラベル作業と同じ部屋に、洗瓶が並んでいます。
瓶詰めと、ラベル貼り作業は、一連托生のようです。

瓶詰め後、ライトアップして、異物をチェックします。
まさに最終工程。

さて、外へ出て、こちらはリユース場です。
回収した一升瓶を、80℃のアルカリ水で洗浄します。
ラベルが綺麗に剥がれたところで、お湯で洗浄。

そうして出来上がったツルツルの一升瓶。
温かいよ、触ってみて。

それでは、いよいよ蔵内に進みます。

驚いたのは、ブロック壁なこと。

くりぬくのに厚みがあって、電鋸刃が3本折れたという配線の穴。

大きなボイラー釜の、蓋を開けてくれました。

2階へ。

現れた、美しい麹室。
2階に麹室があるのは、初めてです。

さらにその上を、天井裏にしている、ワクワク感。

換気の天窓も発見。

さて、麹室に入るため、まずは手洗い。
手洗いはトリプル消毒。
これで余計な酸度が減るそうです。
「酒質が軽いと、もう一杯続く酒になる」それが澤姫とのこと。

麹室入口。
右に棚室、正面に床室。

左手を向くと出麹室。

棚室。ここにMax100kgの麹米が入ります。

まずは容器2/3を使った厚みで、30℃に。
35-6℃で全体に薄く広げます。
40℃以上の温度では、アミラーゼが働き、スッキリとした酒に。
35-40℃ではプロテアーゼが働き、濃厚な酒に仕上がるそう。
麹の温度は、味に反映するので非常に重要です。
床室に進むと1台のベッドが。
外が氷点下でも、中は30-40℃に保たれています。

また、湿度は常に40%以下を保ちます。
湿度13%なら、室温38℃でも、汗はかかないそう。
その代わり、2時間で喉が枯れるそうです。
現在、湿度22%、室温30.3℃。
「水打ちする蔵もあるけれど、うちは乾燥させる」と強調。

そこから続く、奥の吟醸室は、とても小さい。
こんなに小さいとは。澤姫はここから生まれて大きくなります。

麹室は、杜氏を中心に一部の蔵人しか入れない作業場。
今回は作業が終わっていたので案内してくれましたが、
作業時は、外の窓から見学します。
この見学窓だけでも、結露しないよう入念に施工したそうです。

麹菌。通称もやしをお披露目。


うぐいす色?
苔色?
草色?と表現を探したら、
「きくじん色」というのが存在した。

さておき。
こんな風に菌が出ますよ。


実際は、この布を通して振ります。
ベンベルグ。古布と呼んでいるそう。

このプリンカップにもやしを入れて、
古布をかけ、輪ゴムで止めて、振ります。

プラスチックは、陶器のように冷えて結露しない点で優れ、
プリンカップは、端がL字型なので輪ゴムを留めるのにちょうど良いとか。
見学に来た、同業の方が欲しがるそうです。
秀逸な大人の工作です。
作業着は長袖。麹室のみ半袖。
作業はいつも4名で行うそうです。



台に積まれた、古いラベル。

ラベルを保存する箱は、どうやら活性炭の箱。
澤姫をろ過していた時代があったそうです。
昔のラベルには、醸造用糖類という、今は見かけない原料の表記。
国税の3割が酒税だった時代、日本酒が盛んだった時代が、あったと伺います。
四季桜の菊地社長の名台詞「税を通した社会貢献」が思い出されつつ。

こちらはアルファベット表記の「SAWAHIME」アル添酒。
現在のアルコール添加は、原料の1/10量と決まっているそうです。

今では安全に飲めて当たり前ですが、メタノール検出なしの表記も。
メタノールは体内で処理できません。

こうしたラベルは現在1ロット40万円程するそうです。
「市町村合併は、酒屋に痛手・印刷屋に儲け」と、井上社長の漫談尽きず。
1階に戻って、洗米機「スパイラル吟洗号」を案内されます。
初めて名前を認識しました。
糠が気泡に張り付いて、洗米できると伺いました。

挨拶した瞬間から気づいてはいたのですが、井上社長は、マイペース&ハイペース。
そして、相手に合わせて話を簡易にするのではなく、ご自身の理解度で詳細に話してくれます。
ずっとトップギアなので、全力で聞くことになりました。
とにかくエネルギッシュ。

洗米は短いほどいい。
自ら作った、吸水早見表。

その頭上に時計。!?

洗米専用の時計が欲しいと考案した、カスタム時計。
秒針を赤く染めて、先を大きく見やすくしました。
「Sawahime」サイン入り。
またしても、大人の工作です。

さて、ここから建物は木造と漆喰に。
造りと貯蔵のエリアです。

「真・地酒宣言」をうたう通り、栃木の酒米だけで醸造しています。
「ひとごこち」という品種は、長野と栃木、山梨の一部で栽培されています。
澤姫が「ひとごこち」使い始めてから、栃木での生産量は17倍になったそう。
「農家さんの指標となって、自信を付けてもらえる」と語ってくれました。
精米は依託で、山形県へ輸送して行います。

蔵人のための細い足場。人の背より高く、まるで平均台のよう。

ここは特別な発酵室です。
寒〜い部屋に置かれた、発酵タンク。

作業に最も良いのは12-2月の5℃前後の時間帯。
その作業時間を長くするため、寒い部屋を作ったそうです。
サーマルタンクはありませんが、「寒い方がいい」と強調していました。


色んな子たちが生きてる!



まだまだタンクを見ます。





そして、試飲!

酒蔵って、聖職かしら。。。
外の世界が、切り取られて見える窓。

瓶詰めしたお酒を貯蔵する貯蔵庫。寒さ徹底。

見学も終わり、
2日後に発売する、澤姫エピソードの載った日本酒漫画を拝読。

そして試飲開始!
注いでもらえて嬉しい。

ここからセルフで。

生原酒。




生原酒シールのあるものと、そうでないもの、飲み比べ。



つまり、あるだけ全部飲んだ。
なんだかとってもオンリーワン。
・徹底的に乾燥した、麹室。
・寒〜い2℃の、発酵室。
・絶対に、地元の米。
・便利を作る、大人の工作。
しかも、2010年、澤姫大吟醸は、
インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)で、
部門最高賞に輝きました。
2015年は、純米吟醸でシルバーメダル受賞の常連。
井上社長の感性満載な世界に浸れるひとときでした。
ありがとうございました!
宇都宮を北東に進むと、
鬼怒川やさくら市へ繋がる白沢街道が走ります。
水車の回る、白沢宿。
昔はここで、洗濯や芋洗いをしていたとのこと。
「沢・川・水」の付く地名は、水に縁があり、
宇都宮の水も、この白沢から来ているとのお話でした。
上水道について調べてみると、
白沢浄水場は宇都宮市にある3つの浄水場のうちの1つ。
規模が大きく、水源が川でないのが特長です。
10ヶ所の井戸から取水し、
1日6万㎥の水を処理する能力があるようです。
その水を普段飲んでいるのか、宇都宮市内の経路までは分かりません。
日光市瀬川に「水道資料館」があるようです。いつか寄ろう。

井上社長に案内頂き、
製品完成現場から見学スタートです。
商品ラベルを手貼りしています。

斜めに貼るときは体も斜め。

ラベル貼りのツールは、UVカット蛍光灯。
紫外線を防いで、作業者の目の健康と、お酒の品質を守ります。

木箱に蛍光灯をセットして、スイッチON。

全3台。井上社長の自作だそうです。
ゴミが混入していないかチェックも兼ねます。

もとは澤姫の木箱なんですね。

ラベル作業と同じ部屋に、洗瓶が並んでいます。
瓶詰めと、ラベル貼り作業は、一連托生のようです。

瓶詰め後、ライトアップして、異物をチェックします。
まさに最終工程。

さて、外へ出て、こちらはリユース場です。
回収した一升瓶を、80℃のアルカリ水で洗浄します。
ラベルが綺麗に剥がれたところで、お湯で洗浄。

そうして出来上がったツルツルの一升瓶。
温かいよ、触ってみて。

それでは、いよいよ蔵内に進みます。

驚いたのは、ブロック壁なこと。

くりぬくのに厚みがあって、電鋸刃が3本折れたという配線の穴。

大きなボイラー釜の、蓋を開けてくれました。

2階へ。

現れた、美しい麹室。
2階に麹室があるのは、初めてです。

さらにその上を、天井裏にしている、ワクワク感。

換気の天窓も発見。

さて、麹室に入るため、まずは手洗い。
手洗いはトリプル消毒。
これで余計な酸度が減るそうです。
「酒質が軽いと、もう一杯続く酒になる」それが澤姫とのこと。

麹室入口。
右に棚室、正面に床室。

左手を向くと出麹室。

棚室。ここにMax100kgの麹米が入ります。

まずは容器2/3を使った厚みで、30℃に。
35-6℃で全体に薄く広げます。
40℃以上の温度では、アミラーゼが働き、スッキリとした酒に。
35-40℃ではプロテアーゼが働き、濃厚な酒に仕上がるそう。
麹の温度は、味に反映するので非常に重要です。
床室に進むと1台のベッドが。
外が氷点下でも、中は30-40℃に保たれています。

また、湿度は常に40%以下を保ちます。
湿度13%なら、室温38℃でも、汗はかかないそう。
その代わり、2時間で喉が枯れるそうです。
現在、湿度22%、室温30.3℃。
「水打ちする蔵もあるけれど、うちは乾燥させる」と強調。

そこから続く、奥の吟醸室は、とても小さい。
こんなに小さいとは。澤姫はここから生まれて大きくなります。

麹室は、杜氏を中心に一部の蔵人しか入れない作業場。
今回は作業が終わっていたので案内してくれましたが、
作業時は、外の窓から見学します。
この見学窓だけでも、結露しないよう入念に施工したそうです。

麹菌。通称もやしをお披露目。


うぐいす色?
苔色?
草色?と表現を探したら、
「きくじん色」というのが存在した。

さておき。
こんな風に菌が出ますよ。


実際は、この布を通して振ります。
ベンベルグ。古布と呼んでいるそう。

このプリンカップにもやしを入れて、
古布をかけ、輪ゴムで止めて、振ります。

プラスチックは、陶器のように冷えて結露しない点で優れ、
プリンカップは、端がL字型なので輪ゴムを留めるのにちょうど良いとか。
見学に来た、同業の方が欲しがるそうです。
秀逸な大人の工作です。
作業着は長袖。麹室のみ半袖。
作業はいつも4名で行うそうです。



台に積まれた、古いラベル。

ラベルを保存する箱は、どうやら活性炭の箱。
澤姫をろ過していた時代があったそうです。
昔のラベルには、醸造用糖類という、今は見かけない原料の表記。
国税の3割が酒税だった時代、日本酒が盛んだった時代が、あったと伺います。
四季桜の菊地社長の名台詞「税を通した社会貢献」が思い出されつつ。

こちらはアルファベット表記の「SAWAHIME」アル添酒。
現在のアルコール添加は、原料の1/10量と決まっているそうです。

今では安全に飲めて当たり前ですが、メタノール検出なしの表記も。
メタノールは体内で処理できません。

こうしたラベルは現在1ロット40万円程するそうです。
「市町村合併は、酒屋に痛手・印刷屋に儲け」と、井上社長の漫談尽きず。
1階に戻って、洗米機「スパイラル吟洗号」を案内されます。
初めて名前を認識しました。
糠が気泡に張り付いて、洗米できると伺いました。

挨拶した瞬間から気づいてはいたのですが、井上社長は、マイペース&ハイペース。
そして、相手に合わせて話を簡易にするのではなく、ご自身の理解度で詳細に話してくれます。
ずっとトップギアなので、全力で聞くことになりました。
とにかくエネルギッシュ。

洗米は短いほどいい。
自ら作った、吸水早見表。

その頭上に時計。!?

洗米専用の時計が欲しいと考案した、カスタム時計。
秒針を赤く染めて、先を大きく見やすくしました。
「Sawahime」サイン入り。
またしても、大人の工作です。

さて、ここから建物は木造と漆喰に。
造りと貯蔵のエリアです。

「真・地酒宣言」をうたう通り、栃木の酒米だけで醸造しています。
「ひとごこち」という品種は、長野と栃木、山梨の一部で栽培されています。
澤姫が「ひとごこち」使い始めてから、栃木での生産量は17倍になったそう。
「農家さんの指標となって、自信を付けてもらえる」と語ってくれました。
精米は依託で、山形県へ輸送して行います。

蔵人のための細い足場。人の背より高く、まるで平均台のよう。

ここは特別な発酵室です。
寒〜い部屋に置かれた、発酵タンク。

作業に最も良いのは12-2月の5℃前後の時間帯。
その作業時間を長くするため、寒い部屋を作ったそうです。
サーマルタンクはありませんが、「寒い方がいい」と強調していました。


色んな子たちが生きてる!



まだまだタンクを見ます。





そして、試飲!

酒蔵って、聖職かしら。。。
外の世界が、切り取られて見える窓。

瓶詰めしたお酒を貯蔵する貯蔵庫。寒さ徹底。

見学も終わり、
2日後に発売する、澤姫エピソードの載った日本酒漫画を拝読。

そして試飲開始!
注いでもらえて嬉しい。

ここからセルフで。

生原酒。




生原酒シールのあるものと、そうでないもの、飲み比べ。



つまり、あるだけ全部飲んだ。
なんだかとってもオンリーワン。
・徹底的に乾燥した、麹室。
・寒〜い2℃の、発酵室。
・絶対に、地元の米。
・便利を作る、大人の工作。
しかも、2010年、澤姫大吟醸は、
インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)で、
部門最高賞に輝きました。
2015年は、純米吟醸でシルバーメダル受賞の常連。
井上社長の感性満載な世界に浸れるひとときでした。
ありがとうございました!