お忙しい中、見学の時間を下さった蔵元の皆様に、心より感謝申し上げます。
見学の前に、
毎年3月中旬以降の土日に行われる、一般公開にも参加しました。
酒蔵へは、JR宇都宮駅から烏山線に乗り換えて、烏山駅下車徒歩5分です。
蔵開きは地元の人たちもお手伝いして、とても賑わっています。
受付でアンケートに答えて、無料試飲券と酒粕を頂きました。
日本酒の試飲は8杯もあって、じゅうぶん酔いました。
ノンアルの人は、甘酒一杯と交換できます。
奥に有料試飲BARもあったので、有料だけで楽しむのも通ですね。

見学は改めて、別日にお邪魔しました。
工場に入ってすぐ、蒸米のいい香りに遭遇!
五百万石、ふわ〜っと湯気。

放冷機がゴオオと鳴っています。
蒸米器から、クレーンに吊るされて、放冷機に移されるお米の様子。

放冷機の様子。
2つのロールがパチパチと米を浅く弾くように回転しつつ、向かって右に流れていきます。
なんだか気持ち良さげ。

待ち構えて。

温度を測っていました。

あっという間に15℃程度に。
こちらは磨き60%なので、純米酒・本醸造・普通酒のいずれかになります。
吟醸酒の場合は、自然放冷で人の手作業で冷まします。

ここは出麹。

島崎さんは、わかりやすくお米のベッドと説明してくれました。
昨日は手前のベッド(枯らし場)にいたお米が、今は奥のベッドに移動しています。
精米70%普通酒、2日目。

様子をちらりと。


ふわぁ、と温かい栗ご飯のような匂いがします。
吟醸の仕込みは終わっている時期ですが、むしろ、磨き70%で寝かされたお米を初めて見ました。
しっかりした大きさ。可愛い。

ところどころ白い部分に、発酵が進み始めています。

こうした普通酒の温度管理は、機械で。
中仕事・仕舞仕事、などの温度設定が決められ、その通りに管理されます。

続いては、吟醸酒の麹室。奥に2室。
吟醸酒の温度管理は、全て人の手でやります。

吟醸酒は他の酒とは麹の品種が違うので、別の部屋に分ける必要があります。
また、部屋が狭い方が室温調節しやすいそうです。

酒米の温度調節も、人が行います。
ツールその1、木の箱。
これはお米8〜10kg用の中箱です。

中箱に、こうした仕切りを置いて、片方に布で包んだお米を置きます。
その後、仕切りを外して、平らに均していきます。
これは、発酵による熱を、米の厚みで調節する作業です。

米によって温度の上がり方が異なるため、仕切りの番号を記録しておきます。

深さはこれで記録。ツールがとても綺麗。

ツールその2、掛布。
綿布だけでなく、ゴアテックス様の布も使います。
ゴアテックスは通気が一方通行になっていて、登山の衣類などに使われます。
米が乾き過ぎないように、手間暇かけて調節し、見守ります。

その3は、中箱の上下積み替えです。
これは、ウイスキーの樽熟成でもある作業ですね。
置く場所を変えて、温度湿度を調節します。
建物外側は大谷石の蔵でできていて、蔵の中に、この杉の麹室が収まっているそうです。
全体の高さは、麹室の2倍だそう。
建物の機密性が低かった時代には、電気毛布を掛けて米を温めていたそうです。
麹室は天井裏と繋がっていて、空気を循環させます。

同じ酒でも、酒母の麹、留めの麹で菌の量・種類が異なるので、こうしたサンプルを取っておくそうです。

麹室の入り口にはミニ放冷機も。


奥が吟醸600kg、左が1t、右が2tのタンク。

最初に見た蒸米が、チューブ内を通って空気圧で送られているところです。
仕込みが始まります。

そして発酵タンクへ。
現在完成を待っているのは4つのタンク。
2階でタンクが覗けるタイプです。県内でも限られた構造ですね。

「今日できあがり」というNo152。


最後に、圧搾機の部屋へ。
絞るのには、一晩かけます。

普通酒は1〜2月に仕込み、3月に絞ります。
絞った後の酒粕は、漬物用になるそう。

漬物用酒粕は、この青い樽状容器に入るそうです。
たくさんの備品準備があります。

見学も終わって、2階の素敵なお庭を見せていただきました。こんな粋な空間があったとは。
お茶もいただきました。
島崎社長は、BARの仕事にも興味を持って尋ねてくださいました。
お忙しい中、ご案内くださりありがとうございました!

その後、社員の土橋さんと洞窟酒蔵へ。

ガゴーン。。。と錠が鳴ります。
開放日ではないので、私のために開いちゃった!?
一人でドキドキ。土橋さん平常心。

この雰囲気。
1年半前に、一般見学で洞窟にも入りましたが、
今日はとても静かな雰囲気。
こちらの洞窟は、戦時中、戦車の部品工場になる予定地でしたが、
終戦を迎え、使用されることはありませんでした。
なんとこの洞窟、西東100m、山を貫通しているそう。
つまり、空気の循環のある洞窟です。
ルーラを唱えると、頭をぶつけそうなリアルダンジョン。

常に8万本のお酒が貯蔵してあるそうです。

土橋さんから、映画のロケでも使われると説明を受けて、
調べてみるとたくさんの撮影が来ているんですね。
ちなみに、洞窟見学にお越しになる際は、寒いので上着が必須です。
島崎酒造の皆さま、本当にありがとうございました!
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