お時間を下さった森戸酒造様、ありがとうございました。
私にとって、人生初の、ツアーでない個人的な酒蔵見学。
見学の前に、小一時間の談話が始まり、
そのうちに、森戸社長が矢板東高校ご出身の、私の大先輩だと分かりました。
ひょうたんに書かれた高原山は、よく校歌で歌ったものです。

仕込み水には、地下水で作った定番商品と、尚仁沢湧水の商品があるそうです。
大抵の酒蔵が地下水などで仕込みますから、わざわざ離れたところの水を汲んで商品化するのは、かなりのこだわり。
同じ高原山から来る水でも、酒蔵の地下水は軟水、尚仁沢湧水は超軟水だそうです。
昔は、夜中の2時に尚仁沢へ行き、3時間かけて2,000リットル汲んできたそう。
商品にして伝えたいという気持ちが、こだわりを生みます。
また、そのこだわりを楽しむ職人気質が、本当に素敵です。
私が感動したのは、水と米と酵母の組み合わせ。
日本酒自体が、すでに「オール矢板」のカクテルと言えます。
矢板の地下水に、矢板の米、矢板のリンゴ酵母、またはツツジ(矢板市の花)酵母。
とてつもない準備、その完成品を頂く有り難さ。
一方、同行した友人モリシが食いついたのは「江戸時代の酒蔵は、ほとんど残ってない」というお話。
明治になると通貨ができたため、江戸の通貨だったお米は余ってしまいます。神社の禰宜さんが、神事のためにやっていた酒造りを、明治以降、商人が酒蔵を設けてやるようになったとのことでした。

整頓された。工場入口。

酒米を蒸す窯、酒米を入れる白い袋。

窯の上に置く大きなセイロ。

昨日使った窯。湯気が立ち上っていた。

蒸した後は放冷機へ。35-40℃に冷ます。昭和30年代のもの。

麹室(こうじむろ)。結露防止の木壁。ドアは断熱材入りで700kg以上の重量。
奥の黄色いカーテンを引いた先は吟醸用。室温40度以上の作業が待っている。

サラサラに乾かされた米。

噛みしめた。

日本酒の診察室。

アルコール度数計。

糖度計。

整然。
いざ、異空間、発酵室へ。

大吟醸が眠る。

存在感ある子を見つけた。

蓋を開けて見せてくれた。
こんにちは...。

ハシゴに登り、吟醸のもろみを覗きます。
森戸社長は、静かに泡に見入っていたので、私もそうしました。
良い香りです。

もろみを覗く経験は、他の酒蔵のツアーを合わせると、これで4度目でした。
日本酒に興味を持ってまだ1年の私ですが、ここで初めて、日本酒は他人事でないと感じました。
発酵を静かに見守っていると、問いかけるような育むような、世界に没頭する空気があり、学びの気持ちになる。それは森戸社長がそうさせるのでした。


小玉が、大玉になるのを見届けました。
生きています。
発酵室を出ると「現実に戻ったようだね」と、モリシと頷き合いました。
発酵室は、香りも空気も、神聖な異空間でした。

圧搾機。アコーディオンのように畳まれて圧搾される。
側面中央部のバルブからもろみが入り、側面下部から原酒が出てくる。
アコーディオン状の部分は何層にも分かれ、そこに板状になった酒粕が何枚も残る。

貯蔵庫。ここは4℃。夏でも16℃。

近年は雨・竜巻・地震...、天災も多く。
瓦の間には土壁があり、外壁には樫の木が使われている。
「日本家屋は、日本の気候風土に適した建物。昔の人の知恵」と森戸社長。
白壁の方が、湿気らなくて好きとのこと。

売店には、面白い商品ばかり。
森戸社長から「鼻や口(実物)で買うものと、耳や目(マスコミ)で買うものがある」と伺いました。商品の説明書きや、酵母の紹介文も楽しい。
帰りは森戸社長が見送って下さいました。
私たちのような弱輩者に対しても、車が見えなくなるまでずっと外に立って、見送って下さいました。
とても神聖な酒蔵でした。
今日買った酒は、酒以上の酒です。
有り難く頂きます。
見るもの一つ一つに教わるようで、とても愛着が持てました。




駐車場から見た風景。あの入り口に、森戸社長はずっと立っておられました。
ありがとうございました!

私にとって、人生初の、ツアーでない個人的な酒蔵見学。
見学の前に、小一時間の談話が始まり、
そのうちに、森戸社長が矢板東高校ご出身の、私の大先輩だと分かりました。
ひょうたんに書かれた高原山は、よく校歌で歌ったものです。

仕込み水には、地下水で作った定番商品と、尚仁沢湧水の商品があるそうです。
大抵の酒蔵が地下水などで仕込みますから、わざわざ離れたところの水を汲んで商品化するのは、かなりのこだわり。
同じ高原山から来る水でも、酒蔵の地下水は軟水、尚仁沢湧水は超軟水だそうです。
昔は、夜中の2時に尚仁沢へ行き、3時間かけて2,000リットル汲んできたそう。
商品にして伝えたいという気持ちが、こだわりを生みます。
また、そのこだわりを楽しむ職人気質が、本当に素敵です。
私が感動したのは、水と米と酵母の組み合わせ。
日本酒自体が、すでに「オール矢板」のカクテルと言えます。
矢板の地下水に、矢板の米、矢板のリンゴ酵母、またはツツジ(矢板市の花)酵母。
とてつもない準備、その完成品を頂く有り難さ。
一方、同行した友人モリシが食いついたのは「江戸時代の酒蔵は、ほとんど残ってない」というお話。
明治になると通貨ができたため、江戸の通貨だったお米は余ってしまいます。神社の禰宜さんが、神事のためにやっていた酒造りを、明治以降、商人が酒蔵を設けてやるようになったとのことでした。

整頓された。工場入口。

酒米を蒸す窯、酒米を入れる白い袋。

窯の上に置く大きなセイロ。

昨日使った窯。湯気が立ち上っていた。

蒸した後は放冷機へ。35-40℃に冷ます。昭和30年代のもの。

麹室(こうじむろ)。結露防止の木壁。ドアは断熱材入りで700kg以上の重量。
奥の黄色いカーテンを引いた先は吟醸用。室温40度以上の作業が待っている。

サラサラに乾かされた米。

噛みしめた。

日本酒の診察室。

アルコール度数計。

糖度計。

整然。
いざ、異空間、発酵室へ。

大吟醸が眠る。

存在感ある子を見つけた。

蓋を開けて見せてくれた。
こんにちは...。

ハシゴに登り、吟醸のもろみを覗きます。
森戸社長は、静かに泡に見入っていたので、私もそうしました。
良い香りです。

もろみを覗く経験は、他の酒蔵のツアーを合わせると、これで4度目でした。
日本酒に興味を持ってまだ1年の私ですが、ここで初めて、日本酒は他人事でないと感じました。
発酵を静かに見守っていると、問いかけるような育むような、世界に没頭する空気があり、学びの気持ちになる。それは森戸社長がそうさせるのでした。


小玉が、大玉になるのを見届けました。
生きています。
発酵室を出ると「現実に戻ったようだね」と、モリシと頷き合いました。
発酵室は、香りも空気も、神聖な異空間でした。

圧搾機。アコーディオンのように畳まれて圧搾される。
側面中央部のバルブからもろみが入り、側面下部から原酒が出てくる。
アコーディオン状の部分は何層にも分かれ、そこに板状になった酒粕が何枚も残る。

貯蔵庫。ここは4℃。夏でも16℃。

近年は雨・竜巻・地震...、天災も多く。
瓦の間には土壁があり、外壁には樫の木が使われている。
「日本家屋は、日本の気候風土に適した建物。昔の人の知恵」と森戸社長。
白壁の方が、湿気らなくて好きとのこと。

売店には、面白い商品ばかり。
森戸社長から「鼻や口(実物)で買うものと、耳や目(マスコミ)で買うものがある」と伺いました。商品の説明書きや、酵母の紹介文も楽しい。
帰りは森戸社長が見送って下さいました。
私たちのような弱輩者に対しても、車が見えなくなるまでずっと外に立って、見送って下さいました。
とても神聖な酒蔵でした。
今日買った酒は、酒以上の酒です。
有り難く頂きます。
見るもの一つ一つに教わるようで、とても愛着が持てました。




駐車場から見た風景。あの入り口に、森戸社長はずっと立っておられました。
ありがとうございました!
