ここは山口県宇部市。
本州西端の、山口県の中央部。
瀬戸内海と山に挟まれた地域です。
永山酒造から車で5分の、山口ワイナリーに到着すると、
早速、朗らかな永山さんにお会いすることができました。
そもそも、山口&ワイン、酒蔵&ワインとは、どういうこと?

柿の木をくぐり、石の橋を渡ると、ワイン畑が広がります。

早速、
ヨーロッパ品種が植えてあることと、垣根仕立ての植え方に、ソムリエ綾子さんのテンションが上がりました。

まずは、カベルネ・ソーヴィニヨン、
次いで、カベルネ・フランを頂きました。

ヨーロッパ品種の中でも、
特にカベルネ・ソーヴィニヨンは日本で栽培するのが難しい印象です。
ワイン葡萄の生育に適した降水量は、年間500-800mm。
ボルドーは年間830mm(ソムリエ教本調べ)。
一方、宇部の降水量は年間1518.6mm(アメダス調べ)。
よって、レインカットという屋根を付けて雨を防ぎます。

ワイン葡萄の開花・結実期(6-9月)には、雨が降らない方が良いとされますが、日本では、ちょうど梅雨の時期に当たってしまいます。
けれど、宇部は瀬戸内気候のため、年間を通じて日照時間が多く、8月に降水量がガクンと減ります。

参考までに、カベルネ・ソーヴィニヨンを扱う大手メーカーの年間降水量を調べてみました。
勝沼:メルシャン勝沼ワイナリー
1080.9mm
甲府:サントリー山梨ワイナリー
1135.2mm
さすがに降水量は少なめですが、ボルドー並とは行きません。フランスはガレットも有名で、痩せた大地に蕎麦を植えています。
一方、日本は米作りに適した、水の豊かな気候です。
そのため、「マスカット・ベーリーA」という日本のワイン葡萄が開発されています。
その土地その土地の、個性と向き合っていくんですね。
さて、葡萄を見てみましょう。

およそ糖度21度くらいで収穫を始めて、
平均糖度が22度くらいに収穫できるよう、調整しているそうです。
ワイン葡萄の生育条件は、
日照時間(日照時間が長く寒暖差もあると良い)や、
地形による風向き(風が通る程良い)や、
山の斜面方位(南向きで日が当たると良い)など、
気象も重要ですが、
例えば、メルシャン勝沼ワイナリーでは、土壌の水はけを良くするために土を掘り起こし、酸性だった土壌も改良して中性にしたそうです。土も重要なんですね。
その点、
宇部の土壌は、もともと石灰質を含むため、非常に水はけが良く、土壌のphは7を超えるアルカリ性です。
紀元前3000年に、既にワイン葡萄を栽培していたと言われる地中海のコーカサス地方も、石灰のアルカリ性土壌です。
土地の条件を最初から備えているんですね。山口&ワインの必然性が見えてきました。

収穫期が近づくにつれ、イノシシや虫から、葡萄を守る日々になります。
普段葡萄を食べたりしない蜂が、なぜか一斉に葡萄をムシャムシャ音を立てて食べた年があったそうで、
その時は、蜂の大群に囲まれながら、スタッフ総出で葡萄を収穫したとのこと。
その不思議な現象は一度きりだそうです。
こちらは、シャルドネ畑。


ひと粒頂きました。
皮の渋みや酸味が美味しかったです。
ここで、ワイナリーの始まりについて、お話ししてくれました。
21年前、永山さんのお母様が「葡萄を植えよう」と言い出したのがキッカケで、地元の農業を生かそうと、始まった事業なのだそうです。
なぜなら当時、日本酒業界が下火になっていて、新しいことをやる必要性を感じていたからです。
同時期、獺祭もビールに着手したものの、うまくいきませんでした。
当時は地ビールブームの真っ最中でしたが、山口県産の原料を用意できなかったそうです。
しかしその後「獺祭は日本酒で革命を起こした」と永山さんは賞賛していました。
こうした例は西日本だけではありません。
酒蔵から始まり、夏の閑散期にビール作りをして社員の年間雇用を促した、茨城県の木内酒造を思い起こしました。
今ではビール(ふくろうマークの常陸ネストビール)が有名になっています。
日本酒を続けるために新しい活路を見出す気概が、素晴らしいですね。
酒蔵&ワインの生い立ちも見えてきました。
こうした酒造りや農産物を育てる経営者に会ってお話しすると、本当に勉強になります。
BARを訪れるお客さんの仕事の話を、スッと聞きやすくもなります。
人に出会うことは、有意義ですね。
さてさて、山歩きもワイナリーの楽しみです。
健脚のためには、散歩も欠かせません。
写真はソムリエ綾子さん、テンション上がりっぱなしです。





ワイン工場見学です。

白葡萄用搾汁機。

赤葡萄用搾汁機。

瓶詰め工程。

瓶貯蔵室。

山口唯一のワイナリーなので、地元からの依頼も多いそう。
お祝いラベルや、見学会など。
地元のお話をする時が、一番嬉しそうな永山さん。


ワインを試飲させて頂きました。
ありがとうございます。



永山さん以外、皆私の親族です。
山口の親族団欒のひとときになりました。
ありがとうございました!

観光編
さて、永山さんに教えて頂いた、
梶岡牧場「ファイヤーヒル」というバーベキュー屋さんに来ました。

こちらなんと、
我らが栃木県の足利ココファームワイン「陽はまた昇る」を置いていました。
驚き尋ねてみると、梶岡牧場社長がココファームへ赴いて、ボランティア作業をしたことがあるそう。
酒は人を繋げますね!
山口と栃木が繋がって、嬉しい!

食事を待つ間、ポニーと戯れました。



食後、雨が降り出しました。
一同、秋吉台(あきよしだい)の秋芳洞(しゅうほうどう)へ。
大きな鍾乳洞。石灰質の特徴的な土壌です。
ここはワイナリーから北東25kmの距離にあります。

水の流れで自然にできた洞窟なので、
同じ石灰質ではありますが、
石を採掘した跡地の、栃木県宇都宮市大谷の地下空洞とは違った成り立ちです。





ここは一方通行ではなく、貫通した洞窟です。
貫通した洞窟と聞くと、
栃木県那須烏山市の、戦車作りのためにできた洞窟を思い起こします。
終戦となり、結局戦車を作ることはありませんでしたが、
今は東力士の古酒の貯蔵庫として活用されていますね。
なんだか栃木のハナシしかしないな。

高い湿度もマイナスイオンと思えば気持ち良い。
霧の出て美しい日。

洞窟部分の地上はこちら。
カルスト地形。

毎年野焼きして、大きな木が生えないように管理しているそうです。
鍾乳洞を守っています。


土壌を堪能できる宇部市〜美祢市秋吉台の旅でした。
余談ですが、
山口県周南市〜岩国空港を通過の際は、この「山賊」と言うお店が超ローカルです。
山の中なのに、人で賑わっていて、昔の日本みたい。
こうした派手でローカルでファミリー向けな場所は、栃木には無いかもしれない。
昔の日光鬼怒川のような感じだけれど、最近日光は綺麗め路線なので、強いて言うなら、烏山の山あげ祭の活気が常設されてる感じ。

ここは居酒屋・定食屋なのですが、
テーマパーク風になっていて、駄菓子屋もあって子供が多い。
今回は、七夕の短冊が用意してあったので、願い事を書きました。季節ごとに楽しめそうですね。

名物は、でかすぎるオニギリと、でかすぎる焼き鳥です。
なんでも、でかくすればいいのかもしれない。

岩国空港の駐車場でも「山賊」の看板を見かけたので、地元に根付いている企業のようです。
今回は、父の勧めで行きました。
皆さんも、機会があれば是非どうぞ!

本州西端の、山口県の中央部。
瀬戸内海と山に挟まれた地域です。
永山酒造から車で5分の、山口ワイナリーに到着すると、
早速、朗らかな永山さんにお会いすることができました。
そもそも、山口&ワイン、酒蔵&ワインとは、どういうこと?

柿の木をくぐり、石の橋を渡ると、ワイン畑が広がります。

早速、
ヨーロッパ品種が植えてあることと、垣根仕立ての植え方に、ソムリエ綾子さんのテンションが上がりました。

まずは、カベルネ・ソーヴィニヨン、
次いで、カベルネ・フランを頂きました。

ヨーロッパ品種の中でも、
特にカベルネ・ソーヴィニヨンは日本で栽培するのが難しい印象です。
ワイン葡萄の生育に適した降水量は、年間500-800mm。
ボルドーは年間830mm(ソムリエ教本調べ)。
一方、宇部の降水量は年間1518.6mm(アメダス調べ)。
よって、レインカットという屋根を付けて雨を防ぎます。

ワイン葡萄の開花・結実期(6-9月)には、雨が降らない方が良いとされますが、日本では、ちょうど梅雨の時期に当たってしまいます。
けれど、宇部は瀬戸内気候のため、年間を通じて日照時間が多く、8月に降水量がガクンと減ります。

参考までに、カベルネ・ソーヴィニヨンを扱う大手メーカーの年間降水量を調べてみました。
勝沼:メルシャン勝沼ワイナリー
1080.9mm
甲府:サントリー山梨ワイナリー
1135.2mm
さすがに降水量は少なめですが、ボルドー並とは行きません。フランスはガレットも有名で、痩せた大地に蕎麦を植えています。
一方、日本は米作りに適した、水の豊かな気候です。
そのため、「マスカット・ベーリーA」という日本のワイン葡萄が開発されています。
その土地その土地の、個性と向き合っていくんですね。
さて、葡萄を見てみましょう。

およそ糖度21度くらいで収穫を始めて、
平均糖度が22度くらいに収穫できるよう、調整しているそうです。
ワイン葡萄の生育条件は、
日照時間(日照時間が長く寒暖差もあると良い)や、
地形による風向き(風が通る程良い)や、
山の斜面方位(南向きで日が当たると良い)など、
気象も重要ですが、
例えば、メルシャン勝沼ワイナリーでは、土壌の水はけを良くするために土を掘り起こし、酸性だった土壌も改良して中性にしたそうです。土も重要なんですね。
その点、
宇部の土壌は、もともと石灰質を含むため、非常に水はけが良く、土壌のphは7を超えるアルカリ性です。
紀元前3000年に、既にワイン葡萄を栽培していたと言われる地中海のコーカサス地方も、石灰のアルカリ性土壌です。
土地の条件を最初から備えているんですね。山口&ワインの必然性が見えてきました。

収穫期が近づくにつれ、イノシシや虫から、葡萄を守る日々になります。
普段葡萄を食べたりしない蜂が、なぜか一斉に葡萄をムシャムシャ音を立てて食べた年があったそうで、
その時は、蜂の大群に囲まれながら、スタッフ総出で葡萄を収穫したとのこと。
その不思議な現象は一度きりだそうです。
こちらは、シャルドネ畑。


ひと粒頂きました。
皮の渋みや酸味が美味しかったです。
ここで、ワイナリーの始まりについて、お話ししてくれました。
21年前、永山さんのお母様が「葡萄を植えよう」と言い出したのがキッカケで、地元の農業を生かそうと、始まった事業なのだそうです。
なぜなら当時、日本酒業界が下火になっていて、新しいことをやる必要性を感じていたからです。
同時期、獺祭もビールに着手したものの、うまくいきませんでした。
当時は地ビールブームの真っ最中でしたが、山口県産の原料を用意できなかったそうです。
しかしその後「獺祭は日本酒で革命を起こした」と永山さんは賞賛していました。
こうした例は西日本だけではありません。
酒蔵から始まり、夏の閑散期にビール作りをして社員の年間雇用を促した、茨城県の木内酒造を思い起こしました。
今ではビール(ふくろうマークの常陸ネストビール)が有名になっています。
日本酒を続けるために新しい活路を見出す気概が、素晴らしいですね。
酒蔵&ワインの生い立ちも見えてきました。
こうした酒造りや農産物を育てる経営者に会ってお話しすると、本当に勉強になります。
BARを訪れるお客さんの仕事の話を、スッと聞きやすくもなります。
人に出会うことは、有意義ですね。
さてさて、山歩きもワイナリーの楽しみです。
健脚のためには、散歩も欠かせません。
写真はソムリエ綾子さん、テンション上がりっぱなしです。





ワイン工場見学です。

白葡萄用搾汁機。

赤葡萄用搾汁機。

瓶詰め工程。

瓶貯蔵室。

山口唯一のワイナリーなので、地元からの依頼も多いそう。
お祝いラベルや、見学会など。
地元のお話をする時が、一番嬉しそうな永山さん。


ワインを試飲させて頂きました。
ありがとうございます。



永山さん以外、皆私の親族です。
山口の親族団欒のひとときになりました。
ありがとうございました!

観光編
さて、永山さんに教えて頂いた、
梶岡牧場「ファイヤーヒル」というバーベキュー屋さんに来ました。

こちらなんと、
我らが栃木県の足利ココファームワイン「陽はまた昇る」を置いていました。
驚き尋ねてみると、梶岡牧場社長がココファームへ赴いて、ボランティア作業をしたことがあるそう。
酒は人を繋げますね!
山口と栃木が繋がって、嬉しい!

食事を待つ間、ポニーと戯れました。



食後、雨が降り出しました。
一同、秋吉台(あきよしだい)の秋芳洞(しゅうほうどう)へ。
大きな鍾乳洞。石灰質の特徴的な土壌です。
ここはワイナリーから北東25kmの距離にあります。

水の流れで自然にできた洞窟なので、
同じ石灰質ではありますが、
石を採掘した跡地の、栃木県宇都宮市大谷の地下空洞とは違った成り立ちです。





ここは一方通行ではなく、貫通した洞窟です。
貫通した洞窟と聞くと、
栃木県那須烏山市の、戦車作りのためにできた洞窟を思い起こします。
終戦となり、結局戦車を作ることはありませんでしたが、
今は東力士の古酒の貯蔵庫として活用されていますね。
なんだか栃木のハナシしかしないな。

高い湿度もマイナスイオンと思えば気持ち良い。
霧の出て美しい日。

洞窟部分の地上はこちら。
カルスト地形。

毎年野焼きして、大きな木が生えないように管理しているそうです。
鍾乳洞を守っています。


土壌を堪能できる宇部市〜美祢市秋吉台の旅でした。
余談ですが、
山口県周南市〜岩国空港を通過の際は、この「山賊」と言うお店が超ローカルです。
山の中なのに、人で賑わっていて、昔の日本みたい。
こうした派手でローカルでファミリー向けな場所は、栃木には無いかもしれない。
昔の日光鬼怒川のような感じだけれど、最近日光は綺麗め路線なので、強いて言うなら、烏山の山あげ祭の活気が常設されてる感じ。

ここは居酒屋・定食屋なのですが、
テーマパーク風になっていて、駄菓子屋もあって子供が多い。
今回は、七夕の短冊が用意してあったので、願い事を書きました。季節ごとに楽しめそうですね。

名物は、でかすぎるオニギリと、でかすぎる焼き鳥です。
なんでも、でかくすればいいのかもしれない。

岩国空港の駐車場でも「山賊」の看板を見かけたので、地元に根付いている企業のようです。
今回は、父の勧めで行きました。
皆さんも、機会があれば是非どうぞ!
